みなさん、こんにちは。
今回は認知症看護認定看護師の菊井が担当させていただきます。
私は、認知症看護の基本は「環境を整える」ことだと考えています。
人間は常に周りの環境から影響を受けて生活しています。認知機能が低下している方は、いつもと違う環境での生活が苦手になるので入院すると想像もつかないようなストレスを抱えてしまいます。そこで、患者さまの療養環境を整えることを心がけています。
ここからは私の取り組みについてご紹介させていただきます。
まず、今年で3年目を迎えた認知症ケアチーム回診です。これは週1回、多職種でラウンドして、病棟スタッフと一緒に認知機能が低下した患者さまへのケアについて検討しています。専従となってからは、現実見当識訓練、手足や背部のタクティール・ケア®、事故予防対策の評価などを随時行っています。
二つ目に、2019年10月からは認知機能が低下している患者さまを対象に院内デイケアを始めました。内容は風船バレーや工作、パズル、回想法、シャボンラッピングなど、その日の患者さまの状態に合わせて対応するため、最大定員は3名、週1回と小規模ですが、ベッドから離れて活動する機会を増やせるように取り組んでいます。院内デイケアで使用している連絡ノートを読んだご家族から「馴れ初めや若い頃の話なんて聞いたことなかった。そんな話をするようになったのですね!」とうれしい感想をうかがうこともあります。
微力ではありますが、認知症の方が安心して治療を受けられる環境を提供できるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。