2020年1月10日金曜日

第159話 看護部長のつぶやき45「年頭に当たり、日野原重明先生に学ぶ」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
                    不定期につぶやき、発信するページです。~
皆さま、こんにちは。河本智美です。
新年を迎え、はや10日が経ちました。早いですね~。お正月休みは、救急患者様の受け入れで病院中が忙しかったようです。スタッフの皆さま、お疲れ様です。ありがとうございました。
さて、先日スタッフとの会話の中で日野原重明先生を「知らない」と言うことがありました。そこで、私が読みました日野原先生の書籍「これからのナースに実践してほしいこと」の中から抜粋しご紹介します。

~ウィリアム・オスラー先生(18491919)は「医学はサイエンスに基づいたアートである」と言いました。このサイエンスというのは自然科学とは違うし、アートは芸術という意味ではありません。医学におけるサイエンスとは、体を分析して診断する「知識」と「技術」を指します。~
そして「知識」と「技術」に「感性と人間性」を加えた三つを、患者さんにどう適応するか、それが医学におけるアートです。~
かのナイチンゲールも、ナースには「知識」「技術」そして「感性と人間性」の三つが求められると言いました。医学も看護も理念は同じです。
ですから私は「医学・看護はサイエンスに基づいたアートである」と言っています。皆さんも知識と技術を持って、看護師としてアートパフォーマンスをしていただきたい。そしてそれにはどうしても高い感性と人間性が不可欠です。
近代的なサイエンスが進むにつれ、医学はだんだん人間に接するということを忘れてきました。もっと医者は原点に戻って人間に接しなければなりません。医者はもっとアートを取り戻すべきです。反対に、看護師はアートのことは充分勉強しているけれども、疾患の知識が弱くなった。いや、弱くなったのではなく、今まではわずかな知識でも充分だったけど、高度な知識がもっと必要になったのですね。もっともっと知識を底上げしないと、皆さんは病気を理解できなくなるでしょう。~

当院看護部では来年度に向け昨年末から、「知識」と「技術」そして「感性と人間性」の三つのアートを視野に入れた継続教育のプログラムを、教育支援室室長を中心に今年度の教育担当者達が模索中であります。また、いつも言っているのですが「看護師」である前に「一人の人間」としての成長を常に考えています。「自立」ではなく「自律」したスタッフの育成を目指したいと思います。
今年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。m(__)m
引用文献:「これからのナースに実践してほしいこと
‐日野原重明から医療者へのメッセージ‐」 中山書店
*日野原先生の書籍は図書室にありますので、ご興味のある方は手に取ってみてください。