2019年4月3日水曜日

第121話 日常のひとこま6「透析での繋がり」

~ 師長・副師長・主任Nsが 日々あふれている「日常ひとこま」 を
                   不定期につぶやき、発信するページです ~

こんにちは。ツカザキ病院透析室 看護副師長 矢野聡子です。
春は、卒業・入学と別れの悲しみもあれば、新しい出会いに喜びと期待溢れる時期ですね。
最近、94歳で最長老であった外来透析患者様との急な別れがありました。
94歳で、元気にシルバーカーで歩いてこられていた姿や自宅で何度も転倒されて手足に傷を負っておられても骨折ひとつせず、「こけたんや~」と笑っておられた逞しい姿にいつも驚き!!支える息子さん夫婦のご苦労を近くで聞いたり、相談に乗ったりと…それも、今では良き思い出です。

透析患者様の高齢化に伴い、認知症の発症、フレイルの進行、ADL(日常生活動作)の低下に伴う支える家族の介護困難など様々な課題が山積です。最近、福生病院での透析患者の死亡が世間でとりざたされています。あくまでも私の私見ですが、透析を選択するか否か、命の選択を迫られた時、とりまく医療スタッフが患者の揺れ動く思いを聞き、意思決定の支援が出来ていたならこのような事例は起こらなかったのではと思ってしまいます。
日本透析医学会は、2014年に「透析治療の『見合わせ』を検討する主な手順」として、方針の決定には、患者を中心に家族や医療チームで十分に話し合い、場合によっては、倫理委員会の助言を受けるなどし、合意内容の文書化や意思決定プロセスの情報共有を行うことが必要であると提言しています。

透析患者様とお話しをする中で、患者様からふと「透析を明日から止められんかなあ」、「透析は途中でしなくても良くなることはないんかな」「明日からは透析来ないよ」と、透析を選択したものの続けていくことの辛さを吐露される場面に出会います。
そのような場面に関わり、支えとなる看護師の役割は大きく、透析を選択した患者様の希望をお聞きし、患者様にあった理想の透析(至適透析)を行い、QOL(日常の生活の質)が改善できるような透析看護を目指し、スタッフと共に日々努力していきたいと考えています!!
引用:日本透析医学会の提言(2014)より