2019年12月23日月曜日

第157話 看護部長のつぶやき43「『聴く』ということ」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
                    不定期につぶやき、発信するページです。~

皆さま、こんにちは。河本智美です。
今年も残すところ、10日余りとなりました。インフルエンザも徐々に流行の兆しが見えます。毎年のことですが、院内アウトブレイクにならぬように予防接種は然りですが、日頃の手洗いやうがいは必須ですね。寒暖差もあり体調にはくれぐれもご留意くださいね。

さて、今回のつぶやきは『聴く』です。看護の世界では「傾聴」という言葉をよく見聞します。ネットの辞典を調べますと、「傾聴」とは、カウンセリングコーチングにおけるコミュニケーションスキル一つです。人の話をただ聞くではなく注意を払って、より深く、丁寧に耳を傾けること。自分の訊きたいことを訊くではなく相手話したいこと、伝えたいことを、受容的・共感的な態度真摯に聴く行為技法指します。それによって相手への理解を深める同時に相手自分自身対す理解深め納得のいく判断結論到達できるようサポートするのが傾聴のねらいです。~

ちなみに、「聞く」と『聴く』があるのは言うまでもありません。「聞く」は、音として会話を聞く、情報として耳に入れるなどの場合に使われます。一方『聴く』は、耳を傾け相手の気持ちや心情を理解しようと心から共感する姿勢で相手の言葉を聴くという場合に使われます。

『聴く』という漢字の成り立ちを見てみますと、「耳」と「目」と「心」を(+)プラスすると『聴く』という漢字になります。また、「耳」に「十四の心」という見方もあり、「耳」だけでなく「十四の心」で『聴く』という考え方です。
「十四の心」で『聴く』とは、「①美しい心で聴く②新しい心で聴く③広い心で聴く④楽しい心で聴く(きいて楽しくなる)⑤嬉しい心で聴く(きいて嬉しくなる)⑥面白い心で聴く(きいて面白さがわかる)⑦微笑みの心で聞く(きいて微笑ましくなる)⑧素晴らしい心で聴く(きいて素晴らしさがわかる)⑨悲しい心で聴く(悲しみを共感する心できく)⑩苦しい心で聴く(苦しみを共感する心できく)⑪愛しい心で聴く⑫労わる心で聴く⑬憂う心で聴く⑭感謝する心で聴く」というものです。

私たち看護師は、患者様やご家族様の声を・・・、まさしく「心」で「聴く」・・・。「忙しいから・・・」とつい言い訳をし、後回しにしてはいけません。目の前の患者様やご家族様の「心の声」を一言一句見逃さずに、キャッチして行きたいと思います。まずは、こちらの『聴く』意識から変えてみませんか?(^^