2019年6月28日金曜日

第134話 看護部長のつぶやき36「そんなつもりじゃないんだけど」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
                    不定期につぶやき、発信するページです。~


皆さま、こんにちは。河本智美です。
6月も最終週になりました。一年も半分終わりましたね~。当院の新人看護師は、チーム医療を学ぶために多職種部門に研修に出ています。病院は専門職の集まりです。それぞれの専門職が医師のリーダーシップのもと、お互いを尊重しつつ協働し、患者様・ご家族様を中心に寄り添う医療を提供しています。決して一つの部門だけでは医療は成り立ちません。そのため、患者様をベッドサイドで24時間365日看護する私たちは、すべての部門に関わる専門職ですので、他部門での研修を通して、チーム医療の学びを深め、さらに看護に活かしていってほしいと願っています。

さて、ここ数か月ある言葉を耳にする場面が多くありました。それは「『いい人』って褒め言葉ですか?」「『優しい人』って褒め言葉ですか?」という問いかけでした。後者の『優しい人』というのは、自分自身は少なくとも褒め言葉として使用している認識です。でも、その方いわく「優しさは弱さです。自分は弱い人間だと思っているから、決して褒め言葉とは取れません。」とのことでした。前者の『いい人』というのは、褒め言葉として使用する場合と、そうでない場合があるかもしれません。

このように言葉というものは、受け手の考え方や価値観、経験などなど・・・により、大きく受け取り方が変わるものです。今、流行りのAIロボットではそうはならず、言葉はその言葉そのものとして捉えるのでしょうが、人間ではこちらの意図しているものとは正反対になることも少なくありません。そこが人間関係を複雑に混乱させるものにもなり、また興味深くおもしろくさせるものにもなるのでしょう。
私たちは、意見箱に患者様・ご家族様より毎週たくさんのご意見を頂きます。お叱りや、ご指摘もありがたいと思っています。気にしていただいているからこそのお言葉です。時間をかけ、一生懸命書いていただいたお言葉を真摯に受け止めていきたいと思います。中には「そんなつもりではないのに・・」というのもあるかもしれません。しかし、受け手がそのように受け止められていることは、まさしく事実です。

私たちの行動や言葉のひとつひとつには意味があり、そこには看護があります。しかし、一方通行の時があったり、意図しない結果になったりする時も多くあります。悩んだり落ち込んだりするときもあります。でも、それも人間です。「悩むことは成長していること」私の師匠の教えです。先日もこの言葉をかけていただきました。患者様やご家族様のお言葉に、一喜一憂しながら、みんなで成長していきたいと思います。ヽ(^^)