2017年9月21日木曜日

第59話 看護部長のつぶやき9「組織ときょう育」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
                    不定期につぶやき、発信するページです。~

皆さま、こんにちは。河本智美です。
9月も半ばを過ぎ、当院の新人看護師たちも、入職半年を迎えようとしています。早出や遅出の業務にも慣れ、プラスワンの夜勤練習が始まっている病棟もあります。夜勤が始まると「看護師になったんだ~」と感じるようです。そういう私もそのひとりでしたが、もう夜勤は無理かもしれません。体も動きませんし、睡魔に負けてしまいます。()

さて、今日のつぶやきは「『組織』と『きょう育』」です。

看護師のバイブルであるフローレンス・ナイチンゲールの「看護覚え書」には、「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなど適切に整え、これらを活かして用いること~(後略)」とあります。これを組織に置き換えてみると、「組織とは、新鮮な発想ができる環境、明るい笑顔、暖かみのある思いやりのある声掛け、多重課題の解決、心落ち着けてじっくり振り返る時間の設定などを適切に整え、これを活かして用いること~」となるでしょうか?(ちょっと無理があるかと思いますが・・・(+_+)

ピーター・ドラッカー(経営学者)が「組織は目的ではなく手段である。したがって問題は『その組織は何か。』ではない。『その組織は何を為すべきか。機能は何か。』と説いています。「まずは形から・・」という言葉があるように、組織というものも時には形から入ることもありますが、組織のあり方は一人ひとりの特性、長所を引き出しのばすことを念頭に、医療の現場では、患者様・ご家族様が求められる「その人らしい生活」に貢献できるか、ではないかと考えます。

組織の成長には教育は不可欠です。時代は「教える、教えられる時代」から「育てる、育てられる時代」へと変化しています。共育、協育、鏡育、競育、恐育・・・いろいろな育て方があると思います。自らが育ち、相手を育てることはエネルギーが必要となります。
このコラムを目にして、いろいろなことを考えさせられました。「きょう育」はなかなか思うようにはいきません。ビジョンや目標、熱い想いがあっても、それだけでは人は育てられません。日々悩み切磋琢磨し、それでも歩み続けること、そして一人ではなく「きょう育」は、組織で行うことが重要だと痛感しています。「きょう育」は、一朝一夕では成しえません。数か月後、数年後にオンリーワンの花が開くことを願い、今日この瞬間の「きょう」を思い描きながら「育」を楽しめたらいいですね~。(*^_^*)
                   引用参考:ナーシングサポート便り第58 学研メディカルサポート