2020年3月17日火曜日

第171話 日常のひとこま28「回リハ病棟での看護」

~ 師長・副師長・主任Nsが 日々あふれている「日常ひとこま」 を
                   不定期につぶやき、発信するページです ~
こんにちは、今回は新館4階の谷本が担当します。春の陽気が感じられ、気持ちがワクワクするような季節になりましたね。回リハ病棟が開設して2度目の春を迎えます。


新館4階は回復期リハビリテーション病棟(以下回リハ)で主に自宅退院を目指す患者さんがリハビリを行う病棟です。医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・管理栄養士・薬剤師との連携が密で、1人の患者さんに対しそれぞれの視点で考え何度もカンファレンスを行い在宅へと繋げていきます。急性期の治療が終わり自宅に帰るにはまだ不安があるなかで、障害を受け止められず苛立ちや苦痛を表現される患者さんもいらっしゃいます。回リハ看護師は身体的な介助だけでなく精神的な支えとなり患者さんの思いに寄り添います。家族も同様です。「今の状態で家に帰っても大丈夫かな?」「トイレやお風呂はどうしたらいいんだろう?」等様々な不安があります。
でも大丈夫です!セラピスト・看護師が連携し在宅での生活を見据えたリハビリを行います。起きてから寝るまで、更衣・整容・食事・排泄・入浴等ADLの全てがリハビリです。私達スタッフの働きかけにより、前向きに、表情も明るくなりリハビリに励む姿が多く見られるようになります。患者さんが、日々リハビリに励む姿を通して、私もがんばろう!と力をもらう毎日でもあります。

また、レクリエーションにも大事な効果があります。ベッドから離れ、多患者と交流しながら季節毎に患者さん・スタッフ共同で様々な作品を制作します。制作しながら患者さん同士同じ悩みを分かち合い、時には励ましあう姿もよく見られます。
回リハ病棟では急性期看護とはまた違った視点が大事になってきます。なにより大切なのは患者さん・家族の心に寄り添う気持ちと看護です。退院した患者さんが笑顔で近況報告に来てくれるときはスタッフ一同大喜びです。「病棟に来たときは車椅子2人介助だったのに杖で歩いてる!」「喧嘩しながら家でボチボチやっていますよ!」こんな瞬間は回リハ病棟でしか味わえないことだと思います。

今後医療・看護はますます病院から地域・在宅へ変容となっていきます。回リハ病棟で少しでも多くの患者さんが在宅へ帰れるよう、スタッフ一同力を合わせ心に寄り添う看護の提供を行っていきたいと思います。