2017年10月12日木曜日

第62話 看護部長のつぶやき11「人間関係」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
                    不定期につぶやき、発信するページです。~

皆さま、こんにちは。河本智美です。
10月も半ばとなり、朝夕はめっきり寒くなりました。しかし、日中は気温が上がり暑くなっています。寒暖の差が激しいですね。皆さま、体調にお気を付けくださいね。


今日のつぶやきは、「人間関係」です。


日常生活の様々な場面で、「人間関係が難しい」と多くの人が口にします。しかし、人間関係とは実際のところ何なのでしょうか?目にした本では、2つの総称だと書いてありました。一つは「役割交流」で、もう一つは「感情交流」だそうです。職場での人間関係は、主として「役割交流」をメインとした人間関係だと言えるそうです。たとえば、役割交流100%の関係は、身近な場面ではコンビニエンスストアの店員さんとお客さんとの関係です。相手がどういう人か、年齢・性別など関係なく(レジにて年代や性別が入力されているというのを聞いたことがありますが・・・。)ただ、お互いに決められた役割を遂行するのみの関係性です。それに対して、感情交流100%の関係は、友達や恋人とのかかわりです。お互いに義務を負うことなく、ただ好きで一緒にいたいという間柄です。余談ですが、夫婦になると最初はお互いに好きという感情だけで始めた感情交流に、結婚した後になって役割交流が付随してくるので、夫婦関係は難しくなるそうです。「思っていたのとは違う」「結婚して変わってしまった」とは、結婚あるあるでしょうか?(笑)

さて、職場の人間関係は役割交流がメインとなった関係性なので、本来は役割をこなしていれさえすれば問題ないのですが、そこはお互い人間です。感情交流は無視できません。「あの人、仕事はデキるんだけど、ちょっとキツイよね」と、役割は果たしていても関係性がギクシャクする人もいれば、「あの人、仕事は頼りないけどどこか憎めない人よね」と、逆に役割を果たせなくてものびのびと(?)仕事をしている人もいるのも事実です。職場では役割交流がメインであるとは言っても、毎日顔を合わせるメンバーですから、感情交流の部分はとても大切です。特に女性の多い職場の方が感情交流のウエイトが大きいのも実情だそうです。

当院も忙しい職場です。だからこそ、日々の業務の中で、相手のことを気遣いながら一声をかける、相手の気持ちを確かめる、また、感謝の気持ちを伝える、というような、少しの心の余裕が必要ではないかと改めて感じました。「そんな余裕ないよ」という声が聞こえてきそうですが、「(心で・・)1秒立ち止まる」ことで、何かが変わるのではないでしょうか?(#^.^#)

引用参考:主任看護師 Vol.25 No.6

2017年10月11日水曜日

第61話 HCUより「秋といえば」

こんにちは!HCU(High care unit =高度治療室)のリクルーター委員です。
日中はまだまだ暖かですが、朝夕めっきり寒くなりましたね。秋真っ盛りです。
秋といえば読書!
私は雑食に色々な本を読みますが、皆さんはどんな本を読まれますか?医療に携わる者として多少の興味がわくジャンルといえば医療もの。
とくにドクターが書いた医療ものは一度くらい読んでみようという気になったことがあると思います。
ドクター作家といえば森鴎外や渡辺淳一、最近ではドラマ・映画にもなった『チームバチスタシリーズ』を書いた海堂尊が有名ですね。
個人的にはドラマ『無痛』の作者である久坂部羊がとても好きです。

久坂部羊のデビュー作は『廃用身』。
脳梗塞の後遺症や寝たきりで動かせなくなった四肢を切断し、褥瘡リスクの軽減、介護負担の軽減を図った結果、血液が内臓器や脳に充分いきわたるようになり認知症が改善。
これは良い医療だということで率先的に人々は動かない四肢を切断していく。だがその治療を発案した医師にとある疑惑が浮上し、肯定的だった世論は一気に逆風に。そんななか、自分で希望し、ほとんどの四肢を切断した男性患者が一家惨殺事件を起こす。患者はどうやって家族を殺したのか。そして、『なぜ』殺したのか。…という内容です。
当然フィクションなのですが、あたかもノンフィクションであるかのような錯覚に陥る工夫がされていて緊張感を煽ります。
ストーリーとして面白いだけでなく、現代社会や人間がリアルに描かれ、医療の現場を中心に深く重く絡みついてくる倫理に、読後、呼吸を忘れ呆然としてしまう衝撃の作品でした。

文章というのは書いた人間の中身が克明に可視化され人に伝わる媒体ですね。
久坂部羊に会ったことはなくとも、彼がどういう姿勢で生きているのか感じることができます。
休みはとれなくても仕方ない。睡眠は少なくても仕方ない。一生懸命やっても報われないことが多い。心を尽くしても結果が出なければ敵とばかりに責められる。そんな医療の現場に立ってこそ抱く『思い』。「医療とは」「患者とは」「人とは」
あの読後感の素晴らしさは、久坂部羊という人間の「考え方の一貫性」の賜物のような気がします。
そこがブレると受け取り手は、物語はおろか、作家ですら信用できなくなる。

さて、当院のホームページに、循環器内科部長・研修医・看護部長の「ブログ」という文章を掲載しています。賢い事をこむずかしく語るのではなく、日々の学びや気づきがユーモアたっぷりに綴られています。ぜひ時間があるときに巡ってみてください。
その文章から、当院で働く人々の人となりや職場の雰囲気を少しでも感じて頂けたらと思います。

当院の病院理念「患者様本位に徹しよう」を題名に物語を綴るとしたら、どんな内容になるだろう。
『ツカザキ病院』という組織の考え方は、姿勢は、一貫しているだろうか。
「医療とは」「患者とは」「人とは」。
そこがブレると受け取り手は、病院はおろか、医療ですら信用できなくなる。

背筋を伸ばし、顔をあげ、前を向き、そして、ふりかえる。

そんな意識を育てる秋の読書を、ぜひみなさんも楽しんでみてはいかがでしょう。

2017年10月3日火曜日

第60話 看護部長のつぶやき10「ほめる」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
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皆さま、こんにちは。河本智美です。
10月に入り、朝夕はめっきり涼しくなりましたね。皆さま、風邪などひかれませんように体調にお気を付けください。ここ播州地域は10月と言えば、「秋祭り」です。お祭り好きな播州人は血が騒ぐ季節ですね。日頃のストレスも発散して、地元のお祭りを楽しんでくださいね。

今日のつぶやきは「ほめる=価値の発見」です。

周囲で「私はほめられて伸びるタイプよ」という会話を聞くことがありますが、「ほめる」とはどういうことでしょう?“ほめる達人”いわく、「ほめる」とは、ただおだてたりおべんちゃらを言ったりと、耳ざわりのよいことだけを言うことではありません。「人」の価値を発見して伝える。「モノ」の価値を発見して伝える。「出来事」の価値を発見して伝える。この3つを「ほめる」いわば価値の発見です。

しかし、医療現場は、毎日忙しく戦場です。つい厳しい言葉を投げかけてしまったり、先輩や上司から叱られてへこんだり、心が病むときもあると思います。そのような時は、ふと立ち止まって、その人の素晴らしいところを探してみるといいでしょう。それらの価値を発見することで新たな気づきが生まれ、違う角度で物事を見ることや考えることができます。
そして、心のフィルターを持ち、「違う角度からの価値の発見」をすることで、心が楽になります。ふと立ち止まって周囲の人の素晴らしいところを考えてみましょう。一生懸命考え、忘れていたことを思い出した瞬間に、その人に対する表情や、かける声が変わってきます。その結果、不思議なくらい相手との人間関係が好転します。

また、価値を発見することを常にやっていると、脳は「ほめ脳」に変わるそうです。「ほめ脳」になると脳の力、脳力が上がり、今まで見えてなかった違う角度からの発見や、今までわかなかったアイデアがわくようになります。

ところで、新人看護師が持っている価値として、笑顔、元気、真面目で手を抜かない姿勢、正直さ、新しい発想・・・などがあるといわれています。新人看護師を指導する場合は、それらを発見してあげることが大切ですね。

私たちは、忙しい毎日の中で忘れていることがたくさんあります。自分の周りの人が自分にどんなことをしてくれたかのエピソードを思い出してみると、忘れていたことがたくさん意識にあがってきます。「人のよいところを探す、思い出す」そして「こんなこともしてもらったな、ありがたいな」と思い出していくと、自分の周りにダイヤの原石のような価値のある存在がたくさんあることに気づくでしょう。ダイヤの原石探索をみんなでしていきたいと思います。(*^^)v       


引用参考:主任看護師 Vol.26 No.1

2017年9月28日木曜日

☆リアルタイムレポート 最終号☆

こんにちは!
当院看護部では、病棟の様子を皆さんに知って頂くため、資料請求・病院見学会・就職説明会にお越し頂いた方のみを対象に「リアル」な「レポート」をハガキでお届けしています!

もう自宅に届いている方もおられると思いますので重複しているかもしれませんが…
今回で今年度最終号となります!
毎月の研修を行いながら少しずつ成長してくれています!(*´ω`*)年度末までもう少し!
入職時より「お姉さん」になった姿が楽しみです!(^◇^)
興味をお持ちの方は、是非病院見学へお越しください!(*^▽^*)
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blog担当 宮浦

2017年9月21日木曜日

第59話 看護部長のつぶやき9「組織ときょう育」

~看護部長が看護にかかわるさまざまな「気になること」を
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皆さま、こんにちは。河本智美です。
9月も半ばを過ぎ、当院の新人看護師たちも、入職半年を迎えようとしています。早出や遅出の業務にも慣れ、プラスワンの夜勤練習が始まっている病棟もあります。夜勤が始まると「看護師になったんだ~」と感じるようです。そういう私もそのひとりでしたが、もう夜勤は無理かもしれません。体も動きませんし、睡魔に負けてしまいます。()

さて、今日のつぶやきは「『組織』と『きょう育』」です。

看護師のバイブルであるフローレンス・ナイチンゲールの「看護覚え書」には、「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなど適切に整え、これらを活かして用いること~(後略)」とあります。これを組織に置き換えてみると、「組織とは、新鮮な発想ができる環境、明るい笑顔、暖かみのある思いやりのある声掛け、多重課題の解決、心落ち着けてじっくり振り返る時間の設定などを適切に整え、これを活かして用いること~」となるでしょうか?(ちょっと無理があるかと思いますが・・・(+_+)

ピーター・ドラッカー(経営学者)が「組織は目的ではなく手段である。したがって問題は『その組織は何か。』ではない。『その組織は何を為すべきか。機能は何か。』と説いています。「まずは形から・・」という言葉があるように、組織というものも時には形から入ることもありますが、組織のあり方は一人ひとりの特性、長所を引き出しのばすことを念頭に、医療の現場では、患者様・ご家族様が求められる「その人らしい生活」に貢献できるか、ではないかと考えます。

組織の成長には教育は不可欠です。時代は「教える、教えられる時代」から「育てる、育てられる時代」へと変化しています。共育、協育、鏡育、競育、恐育・・・いろいろな育て方があると思います。自らが育ち、相手を育てることはエネルギーが必要となります。
このコラムを目にして、いろいろなことを考えさせられました。「きょう育」はなかなか思うようにはいきません。ビジョンや目標、熱い想いがあっても、それだけでは人は育てられません。日々悩み切磋琢磨し、それでも歩み続けること、そして一人ではなく「きょう育」は、組織で行うことが重要だと痛感しています。「きょう育」は、一朝一夕では成しえません。数か月後、数年後にオンリーワンの花が開くことを願い、今日この瞬間の「きょう」を思い描きながら「育」を楽しめたらいいですね~。(*^_^*)
                   引用参考:ナーシングサポート便り第58 学研メディカルサポート